暮らしの知恵袋 〜電気にまつわる話〜


『タコ足配線』の話

 「タコ足配線は危険」だと一度は聞いていらっしゃると思います。
 しかしながら、知らず知らずのうちに、タコ足配線をされている方が大勢いらっしゃいます。

 ・どのような状態がタコ足配線なのでしょうか?
 ・何が危険なのでしょうか?
 ・どうすればよいのでしょうか?

 順を追って説明いたします。
 ご家庭での「危険」を少しでも解消できますように・・・

    

タコ

      タコ?

『タコ足配線』ってどんな状態なの?

 一般的なご家庭のコンセントは、一か所に差し込み口が2つ付いています。
 これは電気製品を2つ使用できるようになっているのです。

 しかし、沢山の電気製品を使おうとすると、コンセントの数が足りないので、
 三角タップやコーナータップなどを使い、沢山の電気製品を使います。

 写真@のような状態をタコ足配線と呼んでいます。

 また、電源タップなども、タコ足配線となっています。




タコ

  写真@ タコ足配線

タコ

  電源タップも同じこと

ご家庭の電気設備について

<分電盤のブレーカーの役割>
 一般のご家庭では、電気の回路ごとに20Aのブレーカーが設置されています。
 その回路に20Aを超える電流が流れると、ブレーカーが働いてその回路を遮断して安全を守ります。

<電気回路(ブレーカー毎の回路)>
 回路というのは、一つのブレーカーで照明やコンセントなどいくつかの設備が繋がっているものです。
 例えば、一つのブレーカーに台所と居間の照明器具、台所のコンセント2つに居間のコンセント3つが
 繋がっていると仮定すると、その回路で使われる機器は上記の照明器具とコンセントなのです。

分電盤

  分電盤及びブレーカー

<自宅の回路の調べ方>
 ご自宅の回路は、簡単に調べられます。
 分電盤の一つの回路だけをOFFにして、「どの照明が点かないか」「どのコンセントが使えないか」
 を調べると、その回路の使用器具がわかります。 すべての回路をご確認ください。

<回路の最大使用電流>
 ブレーカー毎に分かれる回路の最大使用電流は、ブレーカーのアンペアにより決まります。
 ほとんどのご家庭が20Aだと思いますので、最大20Aがその回路の最大使用電流となります。
 昔は15Aのブレーカーもありました。
 また、大容量の単一機器に配線する場合に限り、30Aのブレーカーも使われています。

<使用機器に流れる電流は?>
 ご使用される機器や電化製品には、「定格電流」や「定格電力」が記載されています。
 定格電流は、使用時に流れる電流を表しています。(単位はAアンペアです)
 定格電力は、使用時に使う電力を表しています。(単位はWワットもしくはkWキロワットです)
 電力=電流×電圧ですので、電流=電力÷電圧となります。
 例えは、ドライヤーが800Wであれば、使用電圧100Vの場合800÷100=8Aとなります。

<コンセントや電源タップの許容電流>
 コンセントや電源タップにも許容電流が記載されています
 ご家庭のコンセントは15Aのものが多いと思います。
 電源タップ、延長コードにも1200Wとか1500Wと表示されています。
 この許容電流以上の電流が流れるような機器の接続が『タコ足配線』と呼ばれるものとなります。




『タコ足配線』が何故危険なのか?

 一言でいうと、
 「電線や器具の許容電流を超える電流が流れると、
  電線や器具が発熱し、火災が発生する危険」
 があるということです。



タコ足

  タコ足配線の一例

タコ足

  タコ足配線の一例









右側の電源タップに流れる電流は、
10Aで、電源タップの許容電流
15A以下なのでそこまではOK。

左側の電源タップに流れる電流は、
7A+10Aで17Aとなり、電源
タップの許容電流15A以上となる
ので危険な状態です。

また、壁のコンセントにも17A
流れるので、コンセントも危険な
状態となります。












右側の電源タップに流れる電流は、
7Aで、電源タップの許容電流
15A以下なのでそこまではOK。

左側の電源タップに流れる電流は、
10Aで17Aとなり、電源タップ
の許容電流15A以上となるので
危険な状態です。

また、壁のコンセントにも17A
流れるので、コンセントも危険な
状態となります。




ご家庭の配線状況を確認してみましょう

 まず、1つのブレーカー毎の回路を調べ、同じ回路のコンセントがわかるように工夫しましょう。
 (色違いのシールを貼るとか、回路番号を書いておく方法があります)

 そして、お使いの家電製品の使用電流を調べましょう。
 そのプラグのところに使用電流が一目でわかる工夫をしましょう。
 (使用電流を記入するとか、タグを付ける方法があります)

 家電製品は、使用する時にプラグを差込み、使用後はプラグを抜くという習慣を身につけましょう。
 プラグを抜き差しする時に、コンセント周りの埃などもコマメに掃除してください。
 (プラグやコンセントに埃が溜まると、それも火災の原因となる危険な状態です)