『ビジネス訓』

時間とは「作る」もの・・


 のちに鋼鉄王になったC・M・シュワップが若くて、まだ小さな会社の社長であった頃。
 アメリカの経営コンサルタントであるI・B・リーが何度もシュワップとの接触を試みるが、
 社長は「忙しい」の理由で会ってくれない。

 そこでリーが、「忙しくなくなるノウハウを教えたい」と言うと、
 シュワップは話に乗ってきた。

 リーはシュワップに「明日やるべきことを六つ書き出して下さい」と求めた。
 これを行うのに、シュワップは3分ほどかかった。

 次に、「どの仕事からするか、1番〜6番までの優先順位をつけて下さい」と求めた。
 これには、先の約2倍の時間である6分かかった。

 「明日はこの順番で仕事を片づけることです。これを毎日続けて下さい」とリーは助言した。

 これが「忙しくなくなる方法」だったのです。

 2ヶ月後、リー宛てに25000ドルの小切手がシュワップから届けられた。
 教えられたシュワップが、それだけの価値を認めたのです。
 その後、シュワップは鋼鉄王の道を歩み始めたのです。

 <時間とはそこに在るものではなく、やりくりして作るものである>